影絵

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 どうということはないですけど、あまりに見事だったので。


 思い立って、大阪府教育基本条例案を読む。

 「そりゃないだろ」と思う。
 思った箇所を抜き出し、反論をつけようかと思ったら、こちら
 自分が感じたことがそのまま反論として載っている。
 いや、流石専門家。自分以上。

 もちろん、全部が全部反論に賛同ではないけれど、大方同じ意見。

 やはり民意を強調しすぎ。
 教育が政治から独立しているのは先の大戦の反省から。
 教育基本法には「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育」(同法14条)を禁止する条文があります。これをあくまで「特定の政党の支持」と解釈し、民意を受けて当選した自分たちは特定の政党の考え方ではなく府民の意見であるからこれに当たらないとするのは完全に拡大解釈しすぎです。条例案と基本法を読んだ段階で、完全に基本法第16条に書かれている「不当な支配」であり、断固教育は基本条例案に支配されるべきではありません。
 維新の会にかかわらず、政治家は国民から選ばれているのだから民意を受けていると解釈できます。維新の会だけではありません。とすれば、特定の政党であっても民意を受けているのだから不当な支配に当たらず教育に口出しできることになります。
 これは、戦争を終えて教育の独立を成し遂げた先人たちの想いを踏みにじるものではないでしょうか?

 さらに。
 「政治は教育に責任を持つべき」と橋下は強調しますが、行政法でも基本法でも知事を含めた行政団体に求めているものはどう読んでも「環境の整備」であり、目標の設置ではないでしょう。
 反論文に書かれているととおり、知事が変わるたびに目標や扱いが変わったらどうするのでしょうか?いやむしろ変わるでしょう。それこそ政治が責任を持っていないことになるのではないでしょうか??
 また、反論で指摘されているとおり、私もすぐに思い出しました。小学校にクーラーなんかいらない、35人学級も不必要、定員を増やせと言ったのは橋下です。ところが選挙でバラマキのように小学校へのクーラーの設置を公約に掲げていました。こんな人間を信用できるのでしょうか?

 そして最大の違和感は勤務評定にあります。
 2年連続Dランクだとクビです。
 クビですよ、クビ。
 しかも恐ろしいことに絶対評価ではない相対評価です。必ずDがつく人間がいるということです。
 3つおかしいと思う所があります。
 1つ目は、精神を病むくらいの激務、安い給料、劣悪な勤務環境で「やる気を見せろ」と競争させられて、Dが必ずつく人間がいてクビになる・・・・いくら民間が厳しいとはいえ、そこまでえげつない人事をするものでしょうか??「お前仕事できないからクビ」って言われるんですよ?そんな割りに合わない厳しすぎる仕事にどれだけの人間を集める気でしょうか?それに、どれほど優秀な人材が集まると思うのでしょうか??
 「教師は聖職者。ヤル気がない、お金がほしけりゃやめろ」
 そんな仕事なんですか、教師って?自分の家族にましな生活をさせてあげられない、来年クビになるかもしれない仕事ってことですか?教師が安定を求めてはいけないと?
 ぶっちゃけ、自分の子が教師目指したら公立の先生になるのは止めます。勧めません。

 2つ目は年々教員が減りますけど、どうやって補充を?
 とりあえず毎年新卒で埋まればよいと?
 余計に現場が荒廃しませんか?

 3つ目は担当による有利不利をどうするのでしょうか?
 例えば、年度当初のクラス分けで、不登校の生徒を誰が引き受けるというのでしょうか?
 不登校、障がいを持った生徒、いわゆるモンスターペアレンツ、学習障害を持った生徒、家庭環境が安定しない生徒。彼らを誰が進んで受け持つのでしょうか?受け持った瞬間恐ろしく大きなビハインドになりますよね。だって知事が決めた目標(どうせ橋下は数値目標だすでしょうよ。なんとかテストの)を達成することが著しく困難になるのですから。怖いのは、そういう生徒や保護者を「目標達成への大きな障害」と学校が認識する可能性が大きいということです、いやむしろそうなるでしょう。そりゃなるでしょう。まさか教師たるものそんな認識を持ってはいけないなんていわないですよね?そのためにSランクやAランクなんかとCランクでは給料や待遇に差をつけろって書いてあるんですから。つまり、そういう待遇の違いをエサとしてがんばるような人間が教師をしていることを望んでいる内容なのですから。
 本当に、こんなことでいいんでしょうか?いや、いいわけないですわな。

 しかも、人の手を借りて仕事をする教員を「能力不足」として指導の対象としてある。教員間で力を借りたり協力したり知恵を借りたりすることもここに該当する可能性がある。ちょっと解釈が極端かもしれませんが、「頼りすぎ」と見なされることはそんな極端な意見ではないでしょう。

 とにかく、全編を通じて感じるのは橋下の「教員不信」「競争原理」だけです。
 教員は信用できない。カスばっかり。できればやめさせたい。本音は世の中に教員なんていらないとおもってるんじゃないですかね。まず間違いなく教員に世話になったなんてこれっぽっちもおもってないでしょうからね。「俺は俺一人の力でここまでやってきた」と思ってる人でしょうから。
 また、競争させれば質が向上するという一昔もふた昔も前の発想もどうなんでしょうか。世間を見れば、過度の競争がどのような世の中を作ったか、分かるはずです。荒んだ心といくら努力して質を向上させても待っているのは価格競争(値下げ競争)だけで、どこも勝たない社会が生み出されているだけではないでしょうか。

 本当に、大阪の人らはこの条例案に賛成なのでしょうか?


 ・・・・と、ここまで書いてますけど、実は本音はここにありません。
 これだけの不備がある条例案。まさか元弁護士の橋下が「これでよし」としたとは到底思えません。
 まず、初めに無茶な要求をして、徐々にランクを下げ、少しでも自分の意見を通そうとする知事就任初期の手法を使っているのだなということも凄く感じます。ただ、狙いが本当にそこだけなのか、というと疑問です。何か他の意図があるのではないかと感じます。
 もう一つ、おそらく知事時代実はほとんど成果を挙げられなかったために、大きくぶちあげて成果を出せそうなのが公務員攻撃と教育委員会攻撃だけなのではないか、と感じています。

 となれば、まさに教育の政治による利用であり、到底許されるものではありません。

 橋下が知事になり、大阪の教育現場の環境は確実に劣悪になりました。公立も私学も。
 子供の通う学校も、壊れたままのロッカーはもう6年以上放置されたままです。予算は全くないそうです。


 とはいえ、本当にやめてほしいDランク以下の教員が複数存在するのも事実なんですよね。
 マジとっととやめて欲しい。自分の子の担任になったらと思うとぞっとします。
 そう考えると条例案もないことはないかな、と思ってしまう自分がいるのも事実だったりします。
 まあ、そうは言っても副作用と弊害と憲法違反、法律違反の疑いが強いこの条例案は認めるわけにはいきません、私は。
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E-1にはプラナー50mmがよく似合う(ピント合わないけど)。

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